隊長がエライか?地区委員がエライか?

どうも、地区や県連や日連の委員の中には、大きな勘違いをされている方が少なからずいらっしゃるようです。

かくいう私たちも、気をつけていないと思わずそういった勘違いをいつの間にかしてしまいます。

革めて、この「ちーやん夜話集」からのこの一節を自戒をこめて確認したいと思います。


隊長がエライか? 地区委員がエライか?  エヴァンソン氏著『地区運営』(Evenson "District Operation")の14ページに隊長が隊長本来の任務を忘れて、地区委員の仲間入りをして行政面にタッチすることを得意とし、自分の身分が何階級も上昇してスカウトのオエラ方の仲間入りをしたかのように考えるのはとんでもないことだ−−−とボエンを喰わしている。そして『彼(隊長のこと)は、スカウティングの中の単位隊指導者に、既になっていることを忘れているのだ! 彼は多くのスカウターの中の最高の階級に彼がなっていることを知らなかったのだ!』と警告している。

 この隊長最高論には私も大いに共鳴する。さきに、万年隊長論を書いたのも、表現の仕方は違うが、エヴァンソンの心境と同じ所意にもとづいている。地区の委員や、コミッショナー、県連の理事やコミッショナーなどが、隊長よりエライという考え方、隊長からそれらの職に転ずることは、栄進であるとみる考え方には私は大反対である。地区県連のそうした人々の側でも、隊長よりオレの方が上役でエライと、もし考えるならば、とんでもないくわせ者である。かかる本末テントウ的逆コースは是正されねばならない。

 私は思う−−−隊長以外のスカウター全ては、ことごとく、隊長への奉仕者助言者であると。エヴァンソンは、県連はスカウティングに奉仕する『まかない方』だといっている。或いは車掌さんである。乗客は隊長である。総長を始めとした理事長、理事、局長等々は、皆隊長に奉仕するために存在している。  ただし、私は隊長諸君にも申し上げたい。もし君は1級はおろか2級の指導も出来ないようなら、一人前の隊長でスカウターの最高位だ−−−と、うぬぼれないこと。一人前の隊長とは、少なくとも10人の1級、30人の2級を作りあげてから言い得るのではあるまいか?

 それだけではない。B−Pの意図に即するとおり、本当に班制度を活用しているか? 或いは今はまだ年月浅くしてそこまで到達しないけれども、そうする努力に人並み以上励んでおり、基礎だけは出来た−−−と、いうのなら。

 隊長より地区委員の方がエライ、地区委員より、県連理事の方がエライ、理事長はその中でもエライ、日本連盟の理事は、それよりエライ…というような考え方が、もし実在するならば、それは二つの大きなミステークがある。それは

1.地区を通じて、県連なるものは隊の連合組織だと誤り考えているためである。
県連は決して師団司令部や総本部ではない。日連も然り。むしろ、県連、地区は加盟育成団体の要請によってスカウティングを、大成せしめるため隊長たちに協力する奉仕後援連合会なのだ。

2.委員とか理事とかいう個人には執行力も何もない。
委員会とか理事会とかいう機関にはそれはある。彼等一人一人の個人には、単にその会のメンバー(一員)たるにすぎぬ。個人の彼がその会(委員会、理事会等々)から業務執行を委託されて、その会としての仕事を行う場合の彼は公人であろうし、当然業務を行う権利義務をもつが、そうでない場合、彼は単なる個人である。外国語には委員とか理事とかいう言葉は委員会のメンバーと表現している。機関とそのメンバー、公人と私人の立場をはっきりしている。隊委員会(団委員会)なども同様である。こういうことがハッキリわからず委員だから理事だから、議員だから、代議士だから−−−エライ特権がある、と考えるあいだ日本のデモクラシーは、半熟である。

 VS隊長