軽度発達障害勉強会

10月16日(日)に、ボーイ隊3名・VS隊1名のリーダーで、千葉県総合教育センターで開催された千葉県連盟主催の「第7回軽度発達障害勉強会」に参加してきました。
今回で一旦終了するという事でしたが、今まで延べ600人もの参加者があり、うちボーイスカウト関係者以外が100人も聴講されたという人気の勉強会です。午前9時から午後5時までのハードなスケジュールだというのに、今回も会場いっぱいの人でした。
 
 午前は「ひだクリニック」肥田裕久院長からの講義、午後は心理療養士 越森誠さんの講義でした。
 実はお二人ともボーイスカウトの関係者です。
  肥田 裕久 日本ボーイスカウト千葉県連盟医師の会(流山第3団委員)
  越森 誠   日本ボースカウト連盟副リーダートレーナー(市川第2団BS隊長)
 
◇概要
  ・午前中は、精神障害を考える上でのポイントと「注意欠陥・多動性障害(AD/HD)、「自閉症アスペルガー症候群」についての講義。
  ・午後は、ボーイスカウト活動においての「現状」と「具体的な支援方法」、「私たちにできる事」についての講義でした。
  ・講義の合間に、AD/HDの子供や総合失調症のひとが、どういう世界で生きているのかをバーチャル体験するツールを受講者全員が体験しました。
 
  ・精神障がいスカウトに対する支援方法は、結局、すべてのスカウトへの支援方法に繋がるものだと思いました。要は、もっとリーダーが、スカウト個人個人を注意深く見守り、スカウトが発するシグナルを見逃さないで、パニックになる前に支援をする。(そのためには、リーダーはプログラム進行以外に余裕が必要、だから、リーダーだけでは支援は無理。団全体での支えが必要←ここ重要!)
  ・そして、障害スカウトが社会人になって困らないように基本的な所作をグループ活動を通じて、繰り返し、簡潔に教育する。1.靴の脱ぎ方 2.服をきちんとたたむ事 3.集合前にスマートネス 4.5分前集合 5.忘れ物をしない 6.ありがとうを言う など、ごく普通の当たり前のことを教えるのではなく、教育する!(意外とどのスカウトもできていなのでは?)
 
◇現状と今後の展望
  発達障害者支援法という法律があるが、「軽度」の場合は支えるところがない。そのため、学校やボーイスカウトが現場で困っている。
  ・これからは、入団希望者の1/3位の確率で精神障がい者の入団希望がある。なぜなら、障がい者は学校のクラブ活動からスポイルされるから、ボーイスカウトに頼らざるを得ない。
  ・だが、団組織がしっかりしていないと、受け入れてはいけない!受け入れには、組織での支援が必要!それがないと貴重なリーダーが疲れ果てて退団していくので、注意!
  ・しかし、考えようによっては、障がい者受け入れは、ボーイスカウトが生き残るひとつの手法となるかもしれない。元々、ボーイスカウトは、団体活動ではなく、グループ活動を通じての個性教育をしている。一人のスカウトのために、組織がある。ボーイスカウトの<七つの教育要素>を活かして、障がい者が大人になったときに、その子がどういう社会での位置づけを持つことができるかの支援ができる可能性がある。
  ・越森さんは、「障がいは病気じゃない!スカウトのひとつの個性だととらえている。」そうです。そして、「ノーベル賞受賞者の8割は、アスペルガーで、世の中はアスペルガーが動かしている!」とのことでした。
 
○写真は、バーチャル体験中の様子です。